平成30年6月定例会 一般質問・答弁要旨

猪股委員 私は、自民党誠心会の猪股尚彦です。自民党誠心会の立場から、今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問させていただきます。

 世間では、日大アメリカンフットボール部の悪質タックル、森友学園、加計学園の記録の廃棄、公文書改ざんなどが問題になっていますが、両者に共通するのは、絶対的に権力を持った人がいて、周囲はその権力者にそんたくして行動したということです。

 学生の真摯な態度と、大人たちの言い逃れをしようとする態度、どちらが真実をあらわしているかは一目瞭然です。

 この閉塞感に覆われている社会を変えるためには、権力者にそんたくをするのではなく、国民・県民の気持ちに寄り添って対応していくべきではないでしょうか。

 知事におかれましては、来年の任期までの間、県民の気持ちをおもんぱかり、希望を持って暮らせる社会の実現のため、しっかりと勤め上げていただけるよう期待しております。

 私も、「あるべき山梨のために」を信条に、引き続き県民の皆さんのため、誠心誠意、全力で取り組んでまいることをお誓いし、以下質問に入ります。

 

知 事 猪股議員の御質問にお答え申し上げます。

 ただいまは、県民の皆様の気持ちに寄り添った対応の重要性について、お触れになられながら、県政運営への御期待とともに、引き続き、あるべき山梨のために誠心誠意、全力で取り組まれるとの御決意を示されました。

 私も、県民の皆様方の声を大切にしながら、山梨県発展のために全力で取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。

 

◆若者の定住促進について

猪股委員 先般、公表された四月一日現在の常住人口調査において、本県人口は、昭和五十九年以来、三十三年ぶりに八十二万人を割り込むなど、減少に歯どめがかからない状況であります。

 人口の減少は、地域の産業や福祉を初め、地域のコミュニティー、教育など、さまざまな面に大きな負の影響を与え、地域の活力を低下させることが懸念されております。

 本県の人口を維持していくためには、他県からの移住を促進することは、もちろん大切でありますが、私は、何よりも、本県に生まれ育った若者に定住してもらうことが喫緊の課題であると考えています。

 しかしながら、本県における平成二十九年三月卒業の東京圏の学生のUターン就職率は、二八・一%となっており、七割以上の学生が戻ってきておりません。

 また、先月公表された、この春卒業の公立高校生の就職決定状況によると、県外へ就職する人数が前年を上回るとともに、その割合も過去最高の一一・六%を記録しており、まことに寂しい感じを禁じ得ません。

 若者の定住に向けて、県がさまざまな取り組みを行っていることは承知しておりますが、若者のために仕事をつくる、本県で働くことや暮らすことの魅力を伝える、そこに全力で取り組む必要があると考えます。

 そこで、若者の定住促進について、これまでの取り組みの成果と、今後どのように取り組まれるのか伺います。

 

知 事 若者の定住促進は、人口減少の克服に向けて重要であることから、県では、山梨県まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、全国トップレベルの支援制度による企業誘致や新規農業参入への多面的な支援、福祉・介護人材などの育成などにより、雇用の場の確保に取り組んできたところでございます。

 この結果、これまでの三年間で、総合戦略の目標を上回る約三千三百人の雇用の場を確保したところであり、若者の県内定着に向けて、就業環境の整備が進みつつあると認識しています。

 また、昨年度、山梨で生き生きと働く若者の姿を紹介した冊子「My Selectやまなし」を作成し、県内の高校や大学のほか、成人式でも配付するなど、本県で働くことや暮らすことの魅力を積極的に発信してまいりました。

 さらに本年度は、八月の農林高校を皮切りに、県内の六つの高校や十一の大学、県内出身者の多い県外の三つの大学において、本県で暮らすことや働くことの魅力を伝える座談会を開催することとしております。

 今後とも、雇用の場の確保充実に努めるとともに、U・Iターン就職に関する協定を結びました首都圏の大学や県内の高校、大学と連携した魅力の発信を進めることにより、本県で生まれ育った若者の本県への定住を積極的に促進してまいります。

 

 

◆子供の貧困対策について

猪股委員 県が、昨年実施した「やまなし子どもの生活アンケート」の結果によると、本県における子供の相対的貧困率は、一〇・六%でした。

 子供の相対的貧困率とは、平均的な所得の半分にも満たない家庭で暮らす子供の割合のことであり、貧困状態にある子供が十人に一人にも及ぶことになります。

 また、貧困状態にある世帯においては、経済的な理由により、公共料金が期限内に払えないことがあったり、海水浴やスポーツ観戦、遊園地などのレジャーを子供に体験させることができなかったりしています。

 明日の日本を支えていく今を生きる子供が、自分の可能性を信じて前向きに挑戦することにより、みずから未来を切り開いていけるようにすることが重要ですが、現実には、何の責任もない子供たちの未来が、その生まれ育った家庭の事情などに左右されてしまう場合が少なくありません。

 家庭を取り巻く環境は、核家族化や地域のつながりの希薄化、共働き世帯の増加、さらには、ひきこもりや児童虐待など、複雑かつ多様化してきております。

 このため、子供の貧困対策を進めていくためには、子供に対する教育や生活の支援とともに、家庭への支援も進めていく必要があると考えます。

 家庭への支援の第一歩は、保護者が気軽に相談できる体制の整備ですが、困窮している家庭では、日々の生活に追われ、行政などの相談窓口を積極的に活用する時間がないこと、困窮していること自体を周囲に知られたくないこと、困窮状態が継続したことにより、自尊感情が低下していることなどから、みずから相談することが少なくなり、生活困窮の状態が深刻化する状況になると言われております。

 このため、困窮している子供や家庭に必要な支援を行うためには、関係機関が連携を図りながら、まずは、より相談しやすい体制を構築し、子供や家庭の声を受けとめることが重要と考えます。

 そこで、子供の貧困対策に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか伺います。

 

知 事 昨年、県では市町村と連携し、全県的な実態調査を実施いたしましたが、その結果から、公的な支援制度が十分認知されていないことや、支援制度や地域の状況等を熟知し、適切な支援機関へつなげる人材が不足していることなどの課題が明らかになりました。

 このため、本年度は、家庭から寄せられる「どこに相談してよいか、わからない」「経済的な支援が欲しい」といった具体的な相談内容ごとに、支援制度をわかりやすく説明したリーフレット「やまなし子どもサポート情報」を約十四万部作成し、この夏休み前に全ての小中学校や高校、保育所等を通じ、広く家庭に配付するとともに、県のホームページにも掲載し、制度の周知に努めることとしております。

 また、新たに、家庭とさまざまな支援機関をつなぎ、支援機関同士の連携を強化する役割を担う地域コーディネーターを養成し、市町村ごとにコーディネーターが中心となって、民生委員・児童委員や学校、福祉団体等のネットワークを構築することで、それぞれの家庭のニーズに応じた多様な支援が実施できるよう、取り組んでまいります。

 今後も、本県の全ての子供たちが夢と希望を持って成長していけるよう、教育の支援や生活の支援、保護者への就労支援など、子供の貧困対策を総合的に推進してまいります。

 

 

◆産前産後ケアセンターについて

猪股委員 核家族化の進行や価値観の多様化などにより、人々のかかわりや地域のつながりの希薄化が進む中、子育ての不安や負担感、孤立感を抱える家庭がふえております。

 特に出産直後から、不安が強いとされる産後四カ月までの時期は、母親の心や体の負担が大きく、この時期に母体のケアや育児指導の支援を行うことは、母親が今後の子育てに不安や孤独を感じることなく、安定した気持ちで子供と向き合うためにも重要であります。

 このため、県では平成二十八年二月、宿泊型産後ケア事業を開始し、二年が経過したところであります。

 全国的に産後ケアを実施する自治体は、まだまだ少ない中、県と市町村が連携し、全ての市町村で産後ケアを実施できる体制を構築した本県の取り組みは、山梨の子育て環境のよさを大いにPRできるすばらしい事業だと思います。

 利用者は徐々にふえてきているものの、その利用率は約四割程度と聞いており、今後、さらにふやしていかなければならないと考えています。

 県では、さまざまな機会を捉えて周知に取り組まれていることは承知しておりますが、自分の不安や悩みは、センターを利用するほどではない。また、本人は利用したいと思っても、家族に遠慮して利用をちゅうちょしている母親もいると聞いており、さらなる取り組みが必要と考えます。

 また、宿泊型産後ケアの利用に当たっては、まず住所地の市町村窓口に申請を行い、母親のニーズを適切に捉えた上で、利用の決定を行っていますが、その際、市町村間で窓口での対応に差が生じることがないよう、市町村担当者がセンターの理解を深め、支援が必要な方がどこに住んでいても、同じようにセンターを利用できるようにしていく必要があると考えます。

 そこで、県では今後、同センターの利用促進のためにどのように取り組んでいくのか伺います。

 

福祉保健部長 猪股議員の産前産後ケアセンターについての御質問にお答えをいたします。

 本県の産前産後ケアセンターは、全国的にも注目をいただいておりまして、十五日に閣議決定されました男女協働参画白書でも、その取り組みが大きく紹介されたところでございます。

 こうしたセンターをより多くの方々に御利用いただくため、本年度から、ふるさと納税の返礼品メニューにセンター利用体験を追加いたしまして、本県出身の方が里帰り出産する際の利用を促すとともに、県職員互助会でも、センター利用者に対する助成を開始するなど、県職員が率先して利用するよう努めております。

 さらに、新たな取り組みといたしまして、妊娠や出産をテーマとした人気漫画を使用したPRポスターにより周知を進めることはもとより、センターを実際に利用された方の体験記事を子育て情報誌に掲載することで、ケアの手厚さや効果について、理解を深めていただくこととしております。

 また、市町村の担当者に対しましては、効果的な利用事例などを情報提供するとともに、市町村によって対応に差のないよう研修会を開催するなど、利用者のニーズに応じた必要な支援を促してまいります。

 加えて、本年度から、県内全市町村において、産後うつ予防などのための産婦健康診査事業が開始されましたが、この事業は、支援が必要な方を産後ケア事業等につなぐことを目的としており、センターを活用して適切なケアが行われますよう、市町村に対して強力に働きかけてまいります。

 今後とも、出産された方が必要な支援を受けられますよう、市町村や関係機関と連携しながら、積極的に取り組んでまいります。

 以上でございます。

 

◆県内における労働力の確保について

猪股委員 県内の有効求人倍率は、七カ月連続で一・四倍台と高水準で推移しており、県内の中小企業からは、人材の確保が過去に例のないほど難しくなっていると聞いております。

 私は、このまま人材不足が続くと、労働力が確保できないため、注文を断らざるを得なくなり、その結果、事業継続を断念して、倒産や廃業に追い込まれる県内企業が出てくるのではないかと非常に危惧しております。

 少子高齢化の進行に伴い、生産年齢人口が減少することを踏まえると、一億総活躍社会の中で、若い人材のみならず女性や高齢者、外国人といった幅広い層の就業を積極的に促進し、労働力を確保していくことが必要であると思います。

 先日、テレビ番組において、高齢者が介護施設などでしっかりと働いている姿を目にしました。高齢者も貴重な労働力であるとの思いを新たにしたところであります。

 幸いなことに、本県は健康寿命日本一の県であり、全国に比べても元気な高齢者が多いことから、高齢者の就業に力を入れることは、本県の労働力の確保にとって、まことに有効であると思います。

 そこで、まず、県では高齢者の方々が活躍できる環境づくりにどのように取り組んでいるのか伺います。

 また、同じ番組において、東京では、ピーク時の一九九二年から二十万人の現役世代の人口が失われ、それを補うように外国人が二十七万人増加しているとの報道もされておりました。

 しかし、外国人労働者については、世界的に獲得競争の状況を呈しており、アジアの人々にとって、日本は働きたい場所の上位ではなくなりつつあり、日本が外国人の労働力を確保するためには、国と自治体が一体となって取り組む必要性を強調していました。

 私は、県内の大学などに、高度な知識を持った外国人留学生が多く在籍しているものの、県内企業に関する情報が留学生の手元に届いていないため、情報の入手しやすい首都圏の企業に流出していると聞いており、こうした留学生を県内就職に結びつけることが、労働力の確保につながるのではないかと考えています。

 そこで、県においても、留学生などの外国人の定着について検討すべきであると思いますが、あわせて御所見を伺います。

 

知 事 まず、高齢者の方々が活躍できる環境づくりについてでございますが、働く意欲のある高齢者の方々が、みずからの能力や経験を生かし、年齢に関係なく働けることは、労働力確保の観点からも、極めて重要であると認識しております。

 このため、昨年十一月に、県が事務局となっております「やまなしシニア世代就労推進協議会」が、厚生労働省の生涯現役促進地域連携事業を受託し、シニア世代の就労の拡大に向けて、取り組みを進めているところでございます。

 本年度は、高齢者の受け入れ企業の拡大を図るとともに、人材バンクを活用した高齢者への就労支援、農業や観光などの五つの重点分野で、高齢者に適した就労モデルの構築と、その普及を図っていくこととしております。

 また、シルバー人材センターの派遣業務において、食品調理、自動車運転など十一職種につきまして、県が就業時間の延長の指定を行い、高齢者の方々が働くことのできる機会を広げてきたところであり、今後も多くの職種の指定に努め、高齢者の方々の就労ニーズに応えてまいります。

 次に、留学生などの外国人の定着についてでございますが、県では昨年度、県内企業の雇用ニーズや留学生の採用状況などの調査を実施したところでございます。

 この結果を踏まえ、本年度、採用に必要な情報を提供する企業向けセミナーや、日本での就労に必要な知識を学ぶ留学生向けセミナーを開催するとともに、七月下旬には、留学生と県内企業をマッチングする面接会を開催することとしております。

 高齢者の方々や外国人材の活用は、労働力の確保対策においては、ますます重要な柱となることから、県といたしましても、県内企業のニーズ把握に一層努め、重点的に取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 

◆空き店舗を活用した商店街の活性化について

猪股委員 私が子供のころは、近所の商店街に行けば、生鮮食料品や日用品など、生活に必要なものは何でもそろえることができました。子供でも歩いていけるところに、買い物ができ、地域の人々が気軽に触れ合える地域コミュニティーの拠点として、にぎわいのある商店街が存在していたのです。

 しかしながら、近年、消費者ニーズの多様化やインターネット通販の拡大、郊外への大型商業施設の出店などにより、地域の商店街に足を運ぶ人が少なくなりました。

 さらに、経営者の高齢化や後継者不足などの要因により廃業する商店もふえ、シャッターをおろしたままの空き店舗が目立つようになり、魅力が低下し、活気が感じられない商店街が、多くなっているのが現状です。

 こうした中、韮崎市においては、かつては商店街のシンボル的存在であった空きビルを、地元出身の若手建築士が全面的に改装し、テナントを呼び込んで復活させたことが話題となっております。

 ビルには、意欲ある若者たちが書店、レコード店、ジュエリー工房などを出店しており、また、カフェでは子育て中の女性がランチを楽しんだり、コミュニティースペースでは学生がインターネットをして過ごすなど、新たなにぎわいを見せております。

 地域の状況はさまざまであり、同様の取り組みを各地の商店街で行うことは難しいと思いますが、このような空き店舗を活用したにぎわいづくりの動きが県内に広まり、商店街が元気を取り戻すきっかけになるのではないかと思います。

 私は、商店街の活性化に向けては、地元市町村と県が一体となって取り組むことが不可欠であると考えますが、空き店舗を活用した商店街の活性化について、御所見を伺います。

 

産業労働部長 猪股議員の空き店舗を活用した商店街の活性化についての御質問にお答えいたします。

 地域住民の生活を支え、地域コミュニティーの拠点としての役割を担う商店街ににぎわいを取り戻すためには、空き店舗を活用していくことが必要であります。

 県では、市町村と連携して、商店街活力再生支援事業費補助金によりまして、意欲ある創業者に対して助成しており、韮崎市の再生した空きビルや、甲府市朝日通り商店街の店舗に入居が進むなど、商店街の活性化の一助となっております。

 また、商店街全体が活性化していくためには、消費者に支持されるような魅力ある店づくりが必要であることから、市町村や商工関係団体、創業者等を対象としたセミナーを開催し、担い手となる人材の育成にも取り組んでおります。

 今後も、市町村及び商工会等を訪問し、商店街における新規出店や、空き店舗の活用促進に向けた取り組み状況について、意見交換を行い、地域のニーズの把握に努めるとともに、市町村や商工関係団体等と連携を図り、空き店舗を活用した商店街の活性化を支援してまいります。

 以上でございます。

 

◆空き家対策について

猪股委員 空き家対策特別措置法が完全施行され、三年が経過し、この間、県では、空き家等対策市町村連絡調整会議を立ち上げ、空き家の実態調査や対策計画の策定などの市町村の取り組みを支援してきており、本年度は民間団体と連携して、空き家の所有者による利活用を促進するためのオール山梨空き家無料相談会を開催するなど、市町村が行う空き家の利活用対策を後押ししていることは承知しております。

 一方で、空き家は、今後、世帯数の減少により、さらにふえ続けると予測されており、管理されずに、そのまま放置され、倒壊のおそれのある危険な空き家も多く発生するなど、県民の生活環境に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。

 特に、放置された所有者不明の空き家は、全国的にも大きな問題として報道されており、危険な空き家は早期に除却していくことが、本県の恵まれた自然環境や美しい景観を保全し、県民の安全安心な生活環境を確保していく上で、大変重要であります。

 こうした中、県内の市町村においては、国の補助制度を活用して、老朽化した空き家を除却した上で、その跡地を自治会向けのポケットパークとして整備し、地域のコミュニティー活動の場として活用している事例もあると聞いております。

 このように、空き家の所有者と行政、地域住民がお互いに知恵を出し合い連携した、みずからの地域の活性化につなげる取り組みは、今後もさらに広域的に展開していくことが必要であります。

 住宅用地の特例制度により、老朽化し活用の見込みのない空き家であっても、固定資産税の優遇措置が適用されるため、そのまま放置されるケースが多いと言われています。

 しかし、この制度においては、市町村が危険な空き家を、空き家対策特別措置法に基づき特定空き家として認定し、除却等の勧告を行った場合には、税の優遇措置が適用されないこととなっています。

 このため、市町村においては、危険な空き家等の除却の促進に向け、特定空き家の認定手続を円滑に進めることが重要であり、県は、市町村の認定手続に対し、一層の支援をすべきと考えます。

 そこで、危険な空き家等に対する、これまでの県内の取り組み状況と今後の県の支援について伺います。

 

県土整備部長 猪股議員の空き家対策についての御質問にお答えいたします。

 市町村が、危険な空き家等の対策を進めるに当たり、まずは実態を調査し、対策計画を策定することが重要であることから、県ではこれまで、調査費用への助成を行うとともに、モデル計画を作成し、提供するなど、早期策定を促してまいりました。

 また、所有者の特定や倒壊の危険性の判断等については、専門的な知識が必要となることから、法律や不動産、建築等に精通した関係団体と連携して、対応マニュアルを作成するなど、市町村を支援してきたところでございます。

 この結果、対策計画を策定した市町村は、平成二十八年度末の七市から十四市町村となり、また、これまでに五百件を超える空き家について指導等が行われ、特定空き家を含めまして、六十件を超える危険な空き家等が除却されました。

 今後は、国の補助制度等の情報提供や制度運用に関する技術支援に加え、空き家の除却方法や、その跡地の活用方法についての県内の先進的な取り組み事例集を作成・配布するなど、引き続き、対策に取り組む市町村を積極的に支援してまいります。

 以上でございます。

 

◆中学校からのキャリア教育の推進について

猪股委員 私が学生だったころは、現在のようなキャリア教育という言葉も考え方もなく、両親や身近な先輩などからのアドバイスや経験に基づく話の中で、将来の職業を決めていたように思います。

 周囲を見ても、限られた情報の中で仕事を決めることは大変なことでしたし、また、よく決められたものだと、今さらながら感じております。

 こうした私自身の体験も踏まえ、子供は、なるべく小さいころから多様な職業に触れながら、職業観やつきたい仕事についてのイメージを育んでいくことが大切であると考えています。

 一方で、地域の商店街や町工場が年々少なくなる中、子供が身近に仕事に触れる機会が少なくなっているのではないかと危惧しております。

 本県の主力産業である製造業の中には、世界的に有名な企業があるとともに、規模が小さいながらも、目覚ましい業績を上げている魅力的な企業が多数存在するにもかかわらず、一般に知られる機会が少ない現状にあることは、残念でなりません。

 先ほども申し上げましたが、県内の公立高校を卒業し就職した生徒のうち、県外に就職した割合が過去最高に達したことは、県内の企業のよさが高校生に知られていないため、就職の対象として認識されないことも、背景の一つにあると思います。

 こうした状況を改善し、本県の企業を、子供たちが職業を選ぶ際の夢や憧れの対象とするためには、就業体験の積極的な実施や、すぐれた企業を学校で紹介するなど、県内企業をもっと子供たちに知ってもらうための取り組みを、積極的に行うことが大切だと考えています。

 さらに、こうした取り組みを実施する時期は、現実的に就職先を選択しなければならない高校生や大学生のみならず、それ以前の中学生の段階から計画的に行う必要があり、こうしたことが、若者の県外への流出を食いとめ、人口減少の阻止にもつながる有力な手段になり得ると確信しています。

 そこで、中学校からのキャリア教育の推進について、現状どのように取り組みが行われているのか、また、今後どのような取り組みを行っていくのか伺います。

 以上で私の質問は終わります。御清聴ありがとうございました。

 

教育長 猪股議員の中学校からのキャリア教育の推進についての御質問にお答えします。

 県では、中学校段階からのキャリア教育の重要性に鑑み、平成二十八年度より、キャリア教育の充実を重点的な指導項目として掲げ、生徒がさまざまな職場体験を受けられるよう、各学校での積極的な取り組みを促しております。

 また、昨年度から、企業に対し、文書によりキャリア教育への理解や職場体験の受け入れを呼びかけるなど、協力企業の拡充にも努めているところでございます。

 こうした取り組みによりまして、現在では全ての中学校で職場体験が実施されるとともに、実施日数も確実に増加しております。

 さらに、中学生と地元企業等が交流会を実施して、企業経営者から仕事内容や魅力を直接聞く機会を設けた事例とか、地元商工会等の協力により、職場体験先の選択肢がふえた事例など、生徒が地元企業を理解する上で効果的な取り組みが報告されております。

 本年度より、新たに関係機関等と連携する中で、教員を対象とした研修に、県内企業の魅力を紹介する内容を取り入れるなど、今後も、中学校からのキャリア教育の一層の充実に努めてまいります。

 以上でございます。